自転車便で午前中3時間、自宅を拠点に直行直帰で働ける、佐川急便の宅配メイトになったのは5年ほど前でした。セールスドライバーさんが営業所から荷物を届けてくださるので、私は自転車で自宅の半径数kmに限り配達をする仕事です。時には急用ができたり、子供が体調を崩したり、どうしても休まなければならないこともあります。普通のパートですと、職場にかなり気を遣いますが、佐川急便では「代走」と言って他のメンバーがカバーするシステムができているので、自分が休んでしまったときも地域をわかっている人が助けてくれました。もちろん、他のメンバーが休んだときに、私が代走することもありました。お互いに助け合っていたので、休むことに対してのストレスは少なくてすみました。
自転車で近所を走りますから、幼稚園のフェンス越しに息子が私を見ていたり、子供同士で遊んでいる近辺を通ることもありました。そうすると、息子が「うちのお母さんだよ」なんて自慢してくれてましたね。また、友達からも「いまママが通ったよ」「◯◯ちゃんの家に荷物を届けてたよ」と教えてもらったり、そういう意味では、子供に寂しい思いをさせず、仕事に取り組めたと思います。
宅配メイトをしていた時、毎日、荷物を届けてくださったセールスドライバーさんが本当に優しい方で、合間に子供と遊んでくださったり。子供たちは、そのドライバーさんのことが大好きでした。下の子が小学校に入って少し手が空いたときに、ドライバーになろうかと考えたときも、「ママ、いつものトラックのお兄さんと同じ仕事になるんだね」と、家族も抵抗なく、協力してくれました。
2年間の宅配メイトを経て、軽四ドライバーになり、更に丸2年が経ちました。勤務時間は夕方5時まで。取り扱う荷物は、2t車が入りにくい場所への宅配がメインです。今は住まいの近くのエリアが担当なので、とても有り難いです。ナビを見ながら運転すると危ないので、私は地図をしっかり見て、覚えていきます。いま区画整理中で、地図と実際に違いが生まれてしまっていますが、お客様に教えていただいたり、ドライバー同士で情報交換したりして、地図に書き込んでいきます。
「自分に関係ない単なる荷物」ではなく、「お客様の大切なお荷物」として扱うよう、心がけています。お荷物を届けると、例えば、お子さんが一所懸命に貯金して買った物を嬉しそうに受け取ってくださったり、年末のクリスマスプレゼントと思われるお荷物は、受け取ったお母さんが「ちょっと待って下さい、隠す準備を」と仰ったり。そういう場面に出会ったときに『いまの仕事をやっていてよかった』と思います。
私の仕事は、しっかりお客様の話を聞くこと、それを覚えておくことが重要です。そしてお荷物がないときでもエリア内を回りながら、『この時間帯は、いつも車が停まっているな』であるとか、『ご不在の時間帯が決まっているな』と気づいたことを積み重ねて覚えておきます。そうすると、時間指定がなくても、見計らってお届けできるようになっていきます。主婦の目線で、『いま子供をお風呂に入れている頃だろうから、少し時間をずらそう』『食事の時間だろうから、10分、20分だけずらそう』『風がこれだけ強いのに洗濯物を取り込んでいないのだから、きっと今はご不在だ』などと、きめ細かく考えています。こうしたサービスは、私のような女性ドライバーの大切な役割だと思います。
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